いよいよ東京モーターショーも本日の日曜日で終了を迎えます。あれ、本来ならこれで終わりなはずなのに……と振り返って見ると、僕、更新のタイミングを間違えてますね。2回目の時点から。まぁ、いいや。とりあえず9日間の会期なのでヴィブルミノリテ的には明日が最終日ということにしましょう。最終日は総括的な話をしようかなと思っているので、ブース紹介はきょうでおしまいです。
ブース紹介、最後に登場するのは「スクデリエンジン(Scuderi Engine)」です。あまり聞きなれない名前だと思うのですが、これ、ちょっとユニークな方式のエンジンなんです。
スクデリエンジンはこのモーターショーで日本初公開するエンジンで、その名前がそのまま社名になっています。本社はマサチューセッツ州ウェストスプリングフィールド。社長はサルヴァトーレ・スクデリさん。で、どんなエンジンかというと、従来の4ストロークエンジンでは吸気・圧縮・燃焼・排気の4つの行程をクランクシャフト2回転で行いますが、スクデリエンジンは4つの行程を「吸気・圧縮」と「燃焼・排気」の2つに分割して行うことで、燃焼サイクルはクランクシャフト1回転で済むわけです。このような行程を持つエンジンを「スプリットサイクルエンジン」と呼びます。またターボを使えばミラーサイクルのようなバルブ開閉コントロールが可能になり、圧縮シリンダー容量もダウンサイジングできます。その結果、コンピューターシミュレーションでリッター27.6kmという結果を第三者機関が出しています。
おもしろいでしょ? ただ僕はどうにも腑に落ちないのが2つのシリンダーをつないでいるクロスオーバーパッセージという部分。吸気・圧縮を担当するシリンダには当然吸気弁がついていて、そこから吸気するんだけど、その後圧縮された空気はクロスオーバーパッセージを通って燃焼・排気を担当するシリンダーに移動するわけだよね。バルブを開けた瞬間に圧縮は逃げないんでしょうか……? 僕の理解力がなさすぎでしょうかね。
ま、とにかくトルクと出力を向上させ、NoX排出も燃費も低減させるというこのスクデリエンジン。もしどっかのカーメーカーなどがOEMでスクデリ技術のライセンス契約をしたら、自動車生産に持ち込むのに通常3年~5年かかるそうだとか。さてさて、このエンジン、世間はどのように評価するのでしょうか。
TEXT & PHOTO/Morita Eiichi