いわゆる、エクスパンションバルブ。
魑魅魍魎の跳梁跋扈するエアコンシステムのなかに、エクスパンションバルブと呼ばれる部品があります。
(一部車種では、エクスパンションバルブでなく”オリフィスチューブ”なるもので同じ機能を成し得てるモノもあります。)
コンプレッサーが加圧液化したガスを、エクスパンションバルブ内の小さい穴を通すことで、霧化して急激に気化させて、その”気化熱”でエバポレーターを冷やす。エバポレーターが空気を冷やす、な、ワケなのですが・・・(ヤヤコスィくなるので、リキッドタンクは省きました。)
その、コンプレッサーからエクスパンションバルブまで、液化ガスはかなり高圧。夏場だと20バール前後まであがる。タイヤの空気圧の約10倍。エライコッチャ。
そんな高圧なので、経年劣化でOリング(パッキン)が傷んだり痩せたりしてくると、容易に漏れてくる。
ましてや、エクスパンションバルブにその圧が一気に掛かるから、その負担って結構ある。エクスパンションバルブが詰まり気味で圧が上がって漏れが加速したり、エクスパンションバルブ自体から漏れることもある。
旧くなってきたら、どっかーかかから漏れてきても、致し方ない。ホントに旧いと、漏れてない方が偶然な気すらしてくる。(暴言)
ましてや、エクスパンションバルブ辺りまでは高圧なので、その辺りで漏れやすいですねぇ・・・
だが、相手はガス。漏れても、見えない。(泣)
ので、微細な漏れ、それこそ年単位で数百グラムのガスが減る、等の場合、非常に悩ましい。
よって、ガスの中に”蛍光剤”を入れて、微細に漏れた部分でも、特殊なライトを当てると光るようにして、漏れてる場所を確定する。
のッだッがッ!
で、この、真鍮色してる(た)のがエクスパンションバルブ。略してエキパン。
ここまで漏れるとライトあてなくてもわかる。
エクスパンションバルブ全体が黄緑色に染まってるのが、蛍光剤。ラベルまっきーろ。エキパン末期色。
ピンぼけしてるけど、漏れてるの、火を見るよりも明らかなので、撮り直すのやめた、という、どっちが主役かわかんなくなっちゃってる秀逸な画像かと。(爆)
二枚目、過去、ダレカが拭ったか?なんだけども、下の方になんかオイルと埃っぽいのがいる。漏れてるのかなぁ?という嫌疑を持って、容疑者の一人として臨む、とか・・・
さてさて・・・
通常だと、漏れたガスに含まれるコンプレッサーオイルとか添加剤とかが付着して、そこに埃が溜まって汚れて発覚するとか、そういう類です。
実はそういうかなりローテクな判別方法の方が確実だったりする。
リークデテクター(漏れ探知器)とか、誤動作してワケワカメだったりしますもん。
なので、コレで漏れてる場所が確定できたら、換えて直すわけです。換えないで治可能性は低いワケなので、換えますよ基本。
(Oリングだけ換えても元の木阿弥なコトが多いので、容赦なく換えますよ。)
で、ここにも、社外部品が存在して、純正品より若干なりとも安いので・・・
それ使ってなんとかかんとか、多少なりとも、安く上げるわけですよ。
シトロエンAXのエクスパンションバルブ。リキッドタンク。プレッシャースイッチ等と一緒に、モノが手に入るうちに容赦なく換える!だいたいもってして旧いんで容疑者多数過ぎる!こいででダメならあとコンプレッサーと、それでもダメだったらエバポレーターコンデンサー!直す意志があるかないか、本気かどうか試されているっ!
それにしたって、エアコンの部品って、外したらガス全部抜けちゃう。
換え終わったら真空引きして再充填なワケだから、それ相応コストも掛かるので、、、
症状を把握できたら順次完璧を喫してやらないと、また程なく”エアコン効かないー”になっちゃうので・・・またどっかかーか外して、になるので・・・テキトーな仕事はダメよ。
やるなら出来る範囲わかってる範囲で完璧に。そうでなきゃ元の木阿弥。
エアコンのガス漏れ、抜本的対策を怠って補充のみを繰り返してると、各部の寿命を縮めます。
リキッドタンクなんか、ガスラインに空気混じってると寿命が縮むのは明白なわけで・・・
リキッドタンク内で劣化して崩れた除湿剤がガスラインに回ってエクスパンションバルブを逝からせる詰まらせる。
ガスが漏れるオイルも漏れる潤滑不良になる総じてコンプレッサーは寿命を縮める。
ガスだけ補充して効いたねよかったねなんてのは一時凌ぎに他ならないわけで・・・
各々軽微なうちに対策してれば、それだけで済む。単発の軽微なテロのうちに対策しておきましょう。
やらずにいると、最後結果は甚大な被害の同時多発テロになっちゃいますので・・・
それがイヤな普通の方は、どっかで抜本的対策を。
その気がない目先だけの方は、テキトーにしておいて、同時多発テロでとどめを刺されるのを、しばらくお待ち下さい。(イヒヒ)