RENAULT Lutecia2 QuickShift5に乗って思ったこと。

QuickShift5と呼ばれるトランスミッションに関して。

いきなりですが、Disclaimer。

皆様お察しの通り、私、ルノーの関係者ではなく、一切ルノー並びにそのディーラーと特別な関係はなく、彼らの持つ資料や知識等全てを把握しているわけではありませんので、以下、あくまで私感からの考察と推測です。

クイックシフト5と呼ばれるトランスミッション(以下、QS5と略します。)、マニュアルのトランスミッションを自動で変速させようというシステム、ルノーのルーテシア2トゥインゴ1に積まれてます。

基本、要求されるのは”自動変速”なので、巷に沢山居るフツーなオートマチックトランスミッションと比べてどっちがどうのという話ももちろんあるでしょうが、この際私はココではそれは避けます。だって、似て非なるモノなんだもん。あっちがいいこっちがいいならそっちがいいですよ。(笑)

だから、ぶっちゃけ、QS5は、マニュアルトランスミッションです。オートマチックトランスミッションではありません。

マニュアルトランスミッションを、自動で変速させてるに過ぎません。
それ以上でもそれ以下でもないです。それ以上を求めるのはお門違いです。

じゃあ、その動作は、どうやってやってるか・・・難しい話しにするなら、電動油圧をアキュムレーター様なものに蓄えて、シフトチェンジとクラッチ断続させて、それをコンピューターが司る訳ですが・・・

ヤヤコスィので・・・

“ちっちゃなおっさん”が3人居るて、ヒトがやるべきクラッチ断続とギア変更をやってくれている、と思えばいいと思うんです。

ギアを変えるおっさん(Gさん)、クラッチ切ったり繋いだりするおっさん(Cさん)、おっさん2人にあぁせぇこうせぇいうおっさん(Mさん)の3人です。

でも、惜しむらくは、3人とも割と不器用で、世代が変わる度に多少賢くなって器用になってきては居ますが、ホントの人間がやるよりはどうしても不器用さは否めない。が、その3人のコンビネーションで、割といい線までの仕事をするモンだから、それこそ、マニュアル車の助手席に乗ってるようなトラクション(前進しようという力)のかかり方を再現(!)してる。

えぇ、割といい仕事してると思うんですよ、おっさん達。

オートモード1速でブレーキを離すと、MさんがCさんになんやかや言って、一瞬クラッチを繋ごうとしてるみたい。これでクリープみたいな動作を再現する。が、半クラッチを長時間使うのはクラッチ自体の耐久性にかかわるので、ほどなくMさんがCさんに言ってクラッチを切ろうとする。で、車速が落ちてくると、またMさんはCさんにもっかいやりゃぁって言いだすんじゃなかろうか?
(なかろうか、というのは、そんな半クラッチばっかで前に進もうという状況は非常時のみなので、試してないです。)
割とMさん、エンジン回転にまで口を出す場合もあるんですが、でもその状態だと、エンジン回転数が上がるわけでもなく、アイドリング付近でクラッチだけでそろそろ出ようとする。
これは、MT車乗ってる方ならご理解いただけるかと思いますが、なかなか慣れが要る。それを為し得てるMさんCさん、えらいなぁと思うわけですよ。割とうまいですよ、率直に。
坂道なら坂道なりにいい仕事してます。(急坂は試してませんが。)

で、運転手がアクセルを踏む。となると、MさんがCさんにクラッチ繋ぎゃぁって言って、クラッチを繋いで、結果車は前に進む。ガツンと繋ぐとエライコッチャなので、じわーっと半クラッチにして、Mさんはエンジン回転数を適切なトコでコントロールする。
で、車速が乗ってくると、MさんはCさんにクラッチ切りゃあ言って、切った頃にGさんにギア上げりゃぁと言う。Gさんが仕事終わるとCさんにクラッチ繋 ぎゃぁ言って、2速への変速が完了する。が、1~2速も、がつっと繋ぐとエライコトになるので、割とじわーっと繋ぐ。←この辺が皆様言うトコの違和感、でしょ?ヒトほど上手じゃないのよ残念ながら。
で、まっと、車速が乗ってくると、1から2の時と同じく、MさんはCさんにクラッチ切りゃあ言って、切った頃にGさんにギア上げりゃぁと言う。Gさんが仕 事終わるとCさんにクラッチ繋ぎゃぁ言って、3速への変速が完了する。この辺の3速以上の場合は、さほどじわーっとでなく、さくっと繋ぐ。←この辺はあんま違和感言われない。
で、車速に応じて、上記の動作を繰り返していく訳です。

じゃあ、巡航になった場合、その車速に応じて適切なギアを維持するようMさんは二人に言うわけで・・・

で、アクセルを離して空走に近い状態になると、当初は巡航と同じ命令をMさんは言ってるんじゃないかと。

ブレーキを踏みかかると、Mさんは”よーけ減速するみたいだもんだい、おまいらちょいギア落としてちょー。”と二人に言って、車速に応じたギアに落とす。

で、またアクセル踏みかかると、加速するならその程度問題でそれ相応のギアを上げる下げる等の動作をMさんは判断する。

逆に止まりかかると、そこそこなとこまでトラクションを維持しつつ、最後2速際まで引っ張って、停車する頃にGさんに1速に落とさせて、Cさんにクラッチ切らせて、次アクセル踏まれるまで待っとりゃあ言って、二人に待機させる。

3人のコンビネーションは割と堂に入ったモノで、機械がやってる割には上手だし、人間がやってるのを割と忠実に再現してる。それ相応な動作の時もあわせてそつなくシフトを変えていってくれている。

や、正直、すんげぃく賢いと思いますよ。機械の分際で。すんごぃく忠実に人間のマニュアルミッション操作を再現してる。

ただ、惜しむらくは、イレギュラーな操作には対応できてませんね。例えば最初のクリープ様な動作を繰り返すとか、半クラッチつながりかかったトコにいきなしブレーキ掛けるとか。そういう時は結構3人とも”なんばすっとか!”くらいで焦ってる気がする。
走ってる最中だと、減速から加速に突然移ると、おっさん三人すっげ焦る。多分Mさん、なにぃ減速するんじゃないのかい!んじゃCさんSさんそれ相応にせりゃぁ!で、CさんSさんは今やりかかった作業から焦って次の作業に移る。ちと時間がかかる。即時対応できるほど彼ら賢くない。←この辺があなたの言うところの違和感、でしょ?

でも心配しなくても、すぐ当初の動作に復帰しますので。ってか、そんな状況は狙わないと起きないというか、わざわざ狙って予測されてる動作に反したことやって機械を悩ますこともないですし。(笑)
そう、だから、普通に乗ってれば3人とも普通に仕事します。

それが、多分、ルノーの想定する、普通の乗り方で・・・

だから、3人が予想してないことは敢えてやらなきゃいいのではなかろうか?←この辺が、不要な動作試験を繰り返して、壊れるわけでないんだけど、壊すというコト。

じゃあ、3人のその動作ロジックは、ヒトが操るMT車のその乗り方を模倣してるわけだから・・・

そっから離れなければ、離れない範囲で彼らが為し得る最良の仕事してくれてますよ。たぶんね。

人間よりも下手かも知れませんが、それを機械にやらそうと言う人間より(以下自粛)

だから、MT車乗ってた方は、あんま違和感なんのかの言わないのかも。
AT至上主義の方は、まっと複雑で壊れたら難儀なミッションの方をお勧めしますよ。というか、ATでいいんじゃないかと思うし。

あ、一応、3人のおっさん名古屋弁かどうかは私はシランです。
また、こんなこと運転しながら考えてるとぶっけてしまうかもしれませんので、ご注意下さい。

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