ラジエターとヒーターコア。呼び方は違うが構造とやってることは概ね一緒。
ウォーターポンプで汲んだ冷却水がホースやパイプを介して、ヒーターコアに廻って空気を暖めて車内の暖房に使い、最後ラジエターで冷やしてエンジンの冷却に使う。冷やしまくっちゃ外気温が低いときとか始動直後とか困るので、途中のサーモスタットで冷えてるときはラジエターに廻さないようにする。
が、冷却系のスッゲ大まかな構造です。
厳密に言うと、ラジエターは風が当たらないと冷えないので、強制的に冷やすために電動のファンがついていて、水温の上下でOn/Offするようになってます。
が、これについてはまた改めて・・・ってちゃんと動いてないと渋滞時とか水温上がりまくりますけどね。
さて、ラジエター。
大抵のクルマのラジエターは、車の前端、走行風が当たりやすい場所、バンパーの裏グリルの裏あたりについてます。
で、ラジエター、最近のクルマはアルミ製、旧い車だと真鍮製だったりする。両端に冷却水のタンクがついてます。タンクは、旧いクルマは鉄製新しいのは樹脂です。
タンクはラジエターのコア(アルミ又は真鍮製の部分)にパッキン等を介してカシメられています。
で、旧くなってきたり、何らかの原因で、そのコアとかカシメの部分とかがへたってきたり、タンクにクラック(ひび割れ)が入ったりして、漏れてきます。相手は加圧された温水なので、微細な隙間とかでも漏れてきます滲んできます。文字通り水道管ゲームになることもしばしば。
常時、ウォーターポンプにより数バールの水圧が掛かって、温度が上がってまた圧が増して、冷めて圧が下がって、なので、旧くなってくりゃそりゃやむなしだろうと。
で、加圧試験画像。
はじめチョロチョロ。
なかパッパ。
赤子泣いてもフタできない。
プジョー607ですが、そのV6エンジンは、別に外から水かけて冷やす必要はありません。ナイ筈です。
ってか、ダメですから、それは!
三大びっくり画像じゃない世界三大がっかりのブリュッセルの小便小僧じゃなくて世界三大びっくりでもなくていいですからぁ。
タンクにクラックでくらっとしたって感じでしょうか・・・
と、現実逃避はさておき、問題は今日のラジエター、直すか換えるか・・・
真鍮の頃は、溶接ができたり穴塞いだりして直せました。
が、熱効率の問題か重量の問題かでアルミと樹脂になってから・・・
アルミで溶接しようとしたら他の部分まで溶けちゃう。カシメを剥がしてまた着けても充分な圧着力を得られない。樹脂タンクを換えれればいいけどタンクだけで供給がない・・・旧いタンク流用したってそこにクラック来たらおしまい。
とかで、あんま直すメリットがないのが実情だったりする。というか、直せてない。応急措置に過ぎない。
そう、実際、直してもあんまし期待するほど保たなかった実例もしばしば。
よって直す手は、もう手に入らないラジエターでのみ有効技というか、非常避難的でしかないかなぁ・・・
だったら、もう腹を決めて、現物を採寸してイチからワンオフ(単品製作)で作った方が確実。(相応の予算要りますけどね。)
結果、安く直したいって下世話な目的が、素直に換えた以上に手間と工数がかかって、それが只ならご自由にですが、僕ら只じゃメシ食えないので、エライコッチャな納品書を何枚も作ることになる。
というのが確実な線、という、経験則に基づく私の見解。
これは他車のラジエター(確か縦サンクだったようなアワい記憶。)ですが、左右の黒い部分がタンク。中の本体とカシメられてるのだが、その間から漏れてくるのが多い、のかなぁ?
RENAULT Twingo1のラジエター、カシメの部分からぢくぢく漏れ。水を補充し続けた為か、下方に溜まった水で錆を誘発、的な・・・
よって、じゃあ、こんな感じで漏れちゃった場合、大抵、皆様尊ぶ純正部品の価格と、名より実を取る方に適したちょっと安価な社外品と、値段と在庫と供給状況を鑑みながら、容赦なく換えます。
Magneti Marelli社製ラジエター。一枚目がトゥインゴ1,二枚目がフィアットパンダ1用。
三枚目が、Valeo製ルノーキャトルのラジエター。
四枚目がValeo製トゥインゴ1用ラジエター。
純正品よりチト安くて助かる逸品。
シノゴノ頑張って一向に症状改善せず、その度毎にお金掛かるよりは、一発で決めたいが、デモ無駄にお金掛けたくないときに活躍する、社外品です。
で、次は、ヒーターコア。
構造はラジエターと殆ど一緒。で、温度調節のためにバルブがついてる場合もある。
同じく、直すより換えた方が確実な逸品。
眺めはラジエターと概ね一緒ですよ。ちいさいけど。これはバルブがついてない手の方ね。
だが、大抵のクルマ、ヒーターコアは簡単に変わらさる場所に居ないことが少なからず。
ヘタすると、ダッシュボード全脱着が必要とか・・・作業費用だけでもビクーリすることになりかねない。
というか、そんなん、外す前提でついちゃいないっすよ、いやマヂで。
今時のクルマいろんなもんがダッシュボードについてますしね。エアバッグとか脱着したらテスターでリセットせな警告灯点きっぱなしになっちゃうヤツもいるし。
都合、延べ集中して作業しても数日かかる。工数作業時間リスクその他が多ければ多いほど、その分お金頂けないと引き受けられない。ショウガナイ。
それでも直す!となれば、外して換えますさ。
右下辺りを中心にして、長期にわたりぢくぢく漏れ続けたあと。
痛々しい。よく我慢してましたね。おかげでその下にあるエアバッグECU等々の電子部品が冷却水漬けで、カナーリ心配ですよ。アルファ166ですよ。
モレテーラ!右下辺り。まだ軽微な方かも?ニホフくらいだったけど。でも看過していいものではないですよねぇ・・・
惨憺たる状況のルノーキャトルのヒーターコア。冷却水管理がなってなくて、詰まってる疑惑の容疑者。漏れてる疑惑も若干あります。だが軽微。
は、まだいいほうだ。
もっと惨憺ってか、次の、別のキャトル。
・・・この状態で耐えてたオーナーさんに讃嘆しますな・・・
キャトルのヒーターコア、まだ車についてる図。ここまで至るのに結構ばらすけど、今時のクルマほどじゃない。
で、緑色に見えるのが、クーラントの痕。漏れに漏れてそれをブロワー(扇風機)で煽って、車内はすんごぃくクーラントの香りが充満・・・
そりゃ、そんな状況じゃ、キャトルのなにがいいって、胸張って言えないでしょうねぇ・・・体験もできてない、というか、語れない。寒いの耐えてニホフの耐えて、カッコだけヨンさま、ならいい訳じゃないだろう、と思いますよ。
左が、上記のヒーターコア外れた状態。漏れて悲惨。
裏返すと、魑魅魍魎が跳梁跋扈。(これは・・・ちとお見せしたくない。というのは、漏れじゃなくて、埃やナンカが・・・長年の(ご賢察下さい。))
右は新品ヒーターコア。ヒーターバルブ着いた状態。キレーダネ。
まぁ、ともあれ、ヒーターコア、メーカー的にはそう滅多に逝かないでしょうって読みなんだろうけども、旧くなってくりゃその滅多も起こって然るべしなんですよ。というか、既にメーカーの耐用年数想定を越えちゃってますしね。キャトルとか。しかも、そろそろ新品ヒーターコアとバルブの供給がアヤスィくなってきてる。現況ならまだ何とか手に入るが、ドーニモナランくなってきたら、作るしかない。となると高価くつくでしょうねぇ・・・だからあるうちに換えておいた方がイイですよ。換えればその後相当期間は保つし快適だし。我慢してて換えれなくなってドツボに嵌るのがお好みなら、何も愉しそうではないし、僕らはお手伝いすることはナイ。オコノミデドゾ。
そうでなくとも、たまーに、お約束のように逝く某へへ車右ハンドル、貧乏くさく乗るのはカッコワルイと思う、某イタ車高級サルーンみたいなのも居ますし・・・・
はぁ、たいへんだ。
と、ともあれ、クーラント特有の甘い香りがしてきたとか、車内車外にソレっぽい着色された水が・・・な場合は、お早めに。保たせてもいいことはないよ。
あ、冷却水、クーラント、ナメて掛かっちゃイカンですよ、防錆効果とか温度保持性能とか、イロイロ求められますので。単なる水じゃない。
エンジン自体が鋳鉄だと錆が冷却水に廻ってラジエターやヒーターコアに詰まります。だってラジエターやヒータコア、分かりやすく言えば”ザル”なんだから。
で、クーラントには、それを防ぐために防錆剤その他イロイロあらぬものが混ざってる・・・多分、有害。
その証拠に、廃棄するのに処理費用かかりますので。(深刻だが、DEX-COOLの売り上げでその処理費用を賄ってます故。この辺が持ち込みの場合持って帰っていただく所以ですな。)
で、ラジエターやヒーターコア換える際にはAC Delco DEX-COOLで満たしてエア抜きして、です。
ちゃんとしてないとそりゃオーバーヒートします故。それを恐れるならちゃんとしなきゃね♪