【Event Report】French Toast Picnic 2022

(2022年5月22日 福井県・金津創作の森にて)

Morita(以下、M):コロナ禍になってから、いろんなイベントが中止になってきましたが、だんだん動き始めてきましたね。
Suzuki(以下、S):そうだねぇ。3年ぶりのイベントでFTP(フレンチトーストピクニック)も例年よりも人が多い気がするね。
M:きょうは浜松でも「パンダリーノ」やってるみたいですし。
S:こういうイベントが開催できるようになって良かった。

M:さ、ということで大いなるマンネリコーナーも再開ですね。
S:いつも言うんだけど、FTPのまったりした雰囲気はここならではだね。
M:フレンチブルーとは真逆と言っていいような。
S:あとクルマのナンバー見ていくと2桁のがちょこちょこある。
M:そうですね。これを見るだけで大事に乗り続けられてきたんだなぁと思います。

(施設内の駐車場を散歩)
M:ラグナ3のクーペです。ラグナ3はセダンもワゴンもかっこいいんですが、クーペは特にいいですね。
S:どことなくアストンマーチンを思わせるデザイン。
M:リア回りがいいですよね。

 

 

M:ドーフィンです。1950年代から60年代のクルマですね。
S:なんともやる気のない顔……。
M:この時代のルノーのデザインって、どこか消極的なイメージがあります。
S:ルノーって、もともとそんなにアグレッシブなデザインをしないけど、このドーフィンは特に「なんかすいません」って感じ。

 

M:1924年のブガッティ・タイプ22。1900年代前半のクルマはもうクラシックカーですね。
S:これさぁ、ブレーキがワイヤー引きだね。
M:ほんとですね。しかもけっこう太い。
S:こういうのを見ると、試行錯誤を繰り返しながら、いまの油圧式になったんだなって。
M:進化の過程ですね。

 

 

(美術館前、ラリーのスタート地点に到着)
M:FTPでは毎回、企画展示をしてるんですけど、今年はベルトーネがデザインしたクルマを集めたみたいですね。
S:リトモのカブリオレがあるね。
M:リトモはもちろんベルトーネのデザインですが、カブリオレはフィアットからではなく、ベルトーネのブランドで販売されたようですよ。
S:へー。

 

M:これは……モントリオールですか。ベルトーネ在籍時代のガンディーニ作です。
S:(リアウインドウに貼ってあるステッカーを見て)伊藤忠オート!
M:伊藤忠ってディーラーやってたんですね。
S:そう。1980年代くらいまでやってたんじゃないかなぁ。伊勢丹とかもやってたね。
M:なぜデパートが?
S:お金持ち相手に外商とかが売るんだよ。
M:なるほど!

S:サンクのフランセーズ。このホイール、いいんだよねぇ。
M:個性的なデザインだし、なんかかわいい(笑)。
S:これ、ベルギー製なんだよ。
M:ほんとだ。MADE IN BELGIUMって書いてある。

 

 

 

 

 

S:メガーヌ2 RS。
M:おー、これは……。
S:左の5枚ドアのRS。
M:そっか! なんか違和感あると思ったら。Suzukiさんが扱ったクルマなんですね。
S:そうそう。

 

 

S:おお、19(ディズヌフ)のシャマード!
M:セダンもあるんだ! ハッチバックしか見たことなかった。
S:19は3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、カブリオレもあった。セダンはシャマードって呼ばれるんだけど、日本仕様はダイハツのシャレードに発音が違いから使われてなかった気がする。
M:なるほど。見るとジヤクスものですもんね。
S:たしか当時、ジヤクスがこの前期型TXEを数台入れてたような気がする。それ以降、19は輸入されておらず、フェーズ2のクーペ16Vが並行で若干数入ったくらいだと思う。うちの店にも1台いたなぁ。

 

S:以前もヴィブルミノリテで登場した「タルボサンバ・カブリオレ」だね。
M:このクルマがかなり印象に残っています。すごく良かったなぁ。小さくて4人乗れるオープンなんてサイコーですよ。

 

 

 

 

(金津創作の森に入る道路を挟んで、反対側の一般駐車場へ)
M:おお、トゥインゴ3の2ショット。しかも白でストライプも同じ! 左のトゥインゴは並行車の左ハンドルマニュアルです。
S:ん? 右のクルマ、ホイールアーチに樹脂モールが付いてる。これってGT用のでは?
M:ほんとですね。でもこれはGTじゃない。
S:謎だね。前、横はいけそうな気がするけど、リアバンパーはGTは専用品で形が違うから、このモールもはまらなさそうなんだけどなぁ。
M:GTのマフラーは左右2本出しでしたよね。
S:だよねぇ。しかもディーラー車でこの太いストライプもあるんだ? へーへー。

S:ベルランゴ1のフェーズ2だね。
M:フェーズ2になってちょっとアカ抜けましたよね。
S:フェーズ1はかなり地味だったからね。
M:まぁ、それがいいって向きもありますが、僕はフェーズ2のほうがかわいくて好きだなぁ。

 

 

M:206CCです。
S:206CCも見なくなったよね。206が消えちゃったのは何となく分かるけど、CCはもっと大事にされてもよさそうなのになぁ。
M:たしかにそうですね。でも、この個体はすごく大事にされてそうです。

 

 

M:このトゥインゴ、以前フレンチブルーでも撮影させてもらいました。
S:このハヤシがね、絶妙なのよ。
M:ですよね。トゥインゴ3にハヤシを組み合わせるなんて、なかなかない発想だと思うんですけど、めちゃ似合ってますよね。
S:このセンスに脱帽。

 

 

M:なんと! バルケッタの前期と後期が!
S:やっぱこうやってみると前期だよね。
M:フィアットってたいてい後期型になるといまいちになる気がします。ムルティプラやプントもそう。
S:ふむ。

 

 

 

 

(再び敷地内の駐車場に)
M:(遠目から)ん、サフラン?
S:25(ヴァンサンク)だね。しかもバカラ。
M:(掲示してある説明書きを見て)40万km、25年乗り続けてるんですって! すごい。
S:25のATは壊れやすいのに、よくそこまで。
M:そうなんですね。
S:そう。“ガラスのAT”

 

(今回はたまたまドッケールのオーナーご夫妻は2組いらっしゃっていたので、クルマを並べて写真を撮ろうという話に)

DACIA Dokker Anbiance(白)のオーナー、Aさんご夫妻の場合

M:この2台はともにSuzukiさんとこの既存のお客さんなんですよね。
S:そう。Aさんご夫妻の白いドッケール(アンビアンス)は最初、エスパスに買い換えたいなぁって話だった。でも、うちのお客さんがドッケールを手放すって話があって、それならドッケールに乗るか、と。
Aさん:30年ぶりのMTでした。3時間くらいSuzukiさんと一緒に乗ってもらって教習しましたよね(笑)。
S:したした(笑)。このアンビアンスは合計6台売った中の3番目のクルマ。最初に買ってくれたお客さんもそんなに距離乗ってなかったんだよね。
Aさん:買った時点の走行距離は4000kmくらい。いまはここから関東の家に帰って1万km行くかなって感じ。
M:Aさんもあんまり乗ってないんですね。車内とかずごくきれいだし。
Aさん:そうですね。来た当時もまだ新車の香りがしていました。
M:トラブルとか特に?
Aさん:警告灯が付いたくらいですね。
S:ルノー車ってオイル交換の時期をスパナマークの警告灯や液晶表示で知らせてくれるんだけど、それは距離と時間で測って知らせてくるんだよ。でも、ドッケールの警告灯は四角に波型の、他の危機の不具合を知らせる警告灯と兼用してるからややこしい。しかもどういうタイミングで点くのかわかんない。調べてみても「適切な時期に点灯する」としか書いてない。
Aさん:適切って、いつ!? って感じですね。
M:ドッケールって珍しいクルマだから注目されません?
Aさん:警察に車庫証明取りに行ったときとか、駐車場の管理会社に書類出すときに「どこのクルマ?」って聞かれますね。ルーマニアって言うと、たいてい「故障したら困るんじゃない?」って聞かれます。
S:中身はルノーだし、エンジンは日産だし、大して困らないんだけどねぇ。
M:まぁ、世の中の多くの人はそういうイメージなんでしょう。

DACIA Dokker Stepway Techroad(赤)のオーナー、Bさんご夫妻の場合

M:もう1台のドッケールはステップウェイですね。
S:そう、この赤のステップウェイはいろいろあったねぇ。これはBさん夫妻の奥さんのクルマなんだけど、最初はドブロとかカングーを探してたんだよね。
Bさん:そうです。ドッケールもいいけど、赤がいいって思ってました。
S:ただ、赤はテックロードという仕様にしかないのに加えて、現地での受注も終了してた。なので、新車では買えなかったんだよ。その後、1ヶ月くらい探して、ドイツの山奥で中古車を発見した。
M:ドイツの山奥……。
S:しかも、チェコ仕様だったという。ルーマニアのダシア・ドッケール(チェコ仕様)をドイツの山奥で発見し、ベルギーを経由して豊橋港にたどり着き、その後、名古屋市中川区から長野に嫁いでいったわけ。
M:なんて壮大な旅路! これまでトラブルはありました?
Bさん:O2センサーが壊れたのと、パワーウィンドウが途中で止まる症状が出たくらいですかね。
S:ドアの内張を剥がしてみたら、配線を束ねているハーネスが正しい位置より外側に移動していて、ガラスに軽く当たってた。それで挟み込み防止機能が発動して止まるときがあったって感じ。そのとき知ったけど、ドアロックってワイヤーで引いてるクルマが多いんだけど、ドッケールはロッドだった。ロッド使ってるクルマって、そうだな、もう10年以上前のクルマじゃないかな。見たとき「懐かしい!」って思ったもん。ロックするときの感覚が古臭いのはそのせいかもね。リアドアのロックはワイヤーだったけど(そいや、リアドアのロックのワイヤー、外れたの1台いたなぁ)。
M:もうだいぶ乗りました?
Bさん:そうですね。2019年に買ったので、3年で5万kmくらい。
M:すごいなぁ。(車内を覗く)車中泊できるようになってるんですね。
Bさん:はい。イレクターでフレームを組みました。
M:オーナーさんならではのマメ知識的なもの、あります?
Bさん:ドッケールはヒルスタートアシストが優秀です! 旦那さんは500の595に乗ってるんですけど、それに比べるとフィーリングが自然というか。むかし、雪の坂道を友だちのクルマ2台と走ってたんですけど、止まった状態から普通に発進できたのはドッケールだけでした。
S:ASRのおかげもあるかもしれない。
M:へぇ、それはオーナーさんじゃないと分からないですね。逆に困ることはあります?
Bさん:うーん……。あ、ワイパーブレードが気軽に換えられないことかな。
S:ああ、そうだね。ドッケールのワイパーブレード、特殊なんだよ。
M:そうなんですね。
S:そう。だからちゃんとストックしてあるので、当面は大丈夫だけどね。あとはラジオの問題かなぁ。
M:でも、社外品に換えればOKでしょ?
S:うん、あくまでも純正のオーディオでの場合ね。AMはいいけど、FMは周波数帯が違うので聴けないね。

M:今回はなかなかレアな感じでしたね。こうなるとSuzukiさんの売ったドッケール、全部並べて写真撮りたくなる(笑)。
S:トータルで6台。その内、2台がステップウェイ。もともと売れる気しなかったから、最初はアンビアンスにしたんだよね。売れなくても社用車にすればいいかって思ってたから(笑)。
M:まだガス検あるんですよね?
S:うん、あと4台。でもね、いま向こうから持ってくると高いよ。戦争以降、もう呆れるほどの値段になっちゃって、現在も高値安定。円安の影響もあるしね。以前よりも20%くらい高い気がする。低走行距離の茶色のドッケール、4年落ち、3万kmくらいのを向こうで見つけたんだけど、こっち持ってきてナンバー付けたらなんやかんやで300万円くらいになっちゃう。
M:ドッケールに300万円かぁ。そう思うといまのオーナーさんは幸せですね。
S:そうだね。当時、それだけ出せば新車でステップウェイ買えたのにねぇ。
M:というわけで、次回は「ミラフィオーリ(6月5日)」のレポートやります。
S:フィアットパンダバンと、新カングーを展示する予定です(借り物ですが)。

Share

Leave a Reply