クルマというのは無機質な機械だが、乗る人によって同じクルマであっても違うクルマのように感じることが多々ある。その違いはどこから来るのか。さまざまな要因が複雑に入り混じって、その結果をもたらすものだから、千差万別の中古車が生まれるのである。より良い程度の中古車をつくりだすためには、クルマに負荷をかけないようにエンジンを回さず、ゆっくり丁寧に乗るのがいいのか。ボディをきれいに保つため、頻繁に洗車するのがいいのか。実際はどうなのだろうか?
新車はラインナップされているグレードから自分の好きなものを選び、色を選び、オプションを選び……と自由度が高い。しかし、中古車は一期一会である。そのとき出てきたクルマが自分の欲しいものであるなら、価格はどうあれ、買うべきだと思っている。お金は後から生み出すことができるが、自分の好みにぴったりの中古車がもう一度、市場に出てくる保証はない。しかも、これからはエンジン車がどんどん減っていく。さらに中古車を買うのが難しくなる。
メーカーがエンジン車をラインナップしなくなる→新車でエンジン車が買えなくなる→中古車市場で良質なエンジン車が高くなる→中古車高騰(いまココ)→良質な中古車も買えなくなる→質の悪い中古車を買わざるを得なくなる→それすらも高騰していく……。このような状況になるのは、容易に予想が付くというものだ。