前回のクロストークでやった「フランス大衆車の中古車を買うなら、いくらを基準に考えればいいのか?」。今回はその2回目。クルマのメーカー、モデルは異なるが、3台の中古車を乗ってみて、あーだこーだ言うゆるい企画。エントリーするクルマは、ランチア・イプシロン(2006年式・走行距離64,000km)、ルノー・カングー・ビボップ(2011年式・走行距離68,000km)、フィアット・クーボ(2014年式・走行距離110,000km)。それぞれの考察、評価はいかに?
前回のクロストークでやった「フランス大衆車の中古車を買うなら、いくらを基準に考えればいいのか?」。今回はその2回目。クルマのメーカー、モデルは異なるが、3台の中古車を乗ってみて、あーだこーだ言うゆるい企画。エントリーするクルマは、ランチア・イプシロン(2006年式・走行距離64,000km)、ルノー・カングー・ビボップ(2011年式・走行距離68,000km)、フィアット・クーボ(2014年式・走行距離110,000km)。それぞれの考察、評価はいかに?
(2022年10月16日 愛知県・ラグーナテンボス内ラグナシア駐車場にて)
Morita(以下、M):さぁ、蒲郡にラグーナテンボスにやってきました。晴天で気持ちいいですね。
Suzuki(以下、S):そうだねぇ。前回は5月にFTPがあったから約5か月ぶりのイベントになるかな。
M:今年は3年ぶりにフレンチブルーミーティング(以下、FBM)が再始動したわけですが、いろいろあって会場が従来の車山高原と愛知県蒲郡市にあるラグナシアの駐車場に分けられました。で、こっちのFBMは「French Blue Meeting de la mer」という名称になっているようです。
S:「海辺のFBM」って感じかな。まぁ、事情はともかくとして、また開催できるようになって良かったよね。
Morita(以下、M):コロナ禍になってから、いろんなイベントが中止になってきましたが、だんだん動き始めてきましたね。
Suzuki(以下、S):そうだねぇ。3年ぶりのイベントでFTP(フレンチトーストピクニック)も例年よりも人が多い気がするね。
M:きょうは浜松でも「パンダリーノ」やってるみたいですし。
S:こういうイベントが開催できるようになって良かった。
2月にトゥインゴ3、3月にC2、4月にルーテシア3を紹介したが、今回はその3台の中古車を比べてみて、どうなのか? という話をしたいと思う。いちばん古いのはC2だが、走行距離は少なめで約5万km、いちばん新しいのはトゥインゴ3だが、走行距離は約8万km。ルーテシア3は新しさで言えば、2台の間だが、走行距離は9万5000km。三車三様を比較して見えてくるものは?
「普通」という言葉は不思議なニュアンスを持つ。普通の意味は「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それが当たり前であること。また、そのさま」とある。ただ、2000年代に入ってから「普通においしい」とか「普通におもしろい」といった表現が用いられるようになった。これはいずれも「おいしい、おもしろいよりもほんの少し劣る」という意味合いを持っている気がする。感動するほどおいしく(おもしろく)はないが、合格である、といった感じだろうか。このような表現が生まれるようになったのは、この世にある製品やサービスの質が全般的に向上し、普通以下と思えるものが少なくなってきたせいだろう。製品やサービスを評価する際、普通、おいしい、だけではなく、普通とおいしいの中間という評価も必要になり、生まれてきたのではないだろうか。それに加え、僕は「普通」の意味として新たな定義を提案したい。
親戚の家に行ったときの話。そこの家は台所や洗面台などの水回りがとにかく汚い。汚れがこびりつき、カビが生え、まったくきれい好きではない僕でさえ、使うのをためらうくらいだ。「この家の人たちは、よくこんな状況で毎日使っていられるな」と感心するほどなのだが、先日、自分の家で妻から「このバスタオル、もう捨てたら?」と言われ、ハッとした。そのバスタオルをあらためて観察すると、端を折り返している糸が取れてボロボロになっており、色ももともとグレーだったの? と思えるほどグレーだ(もちろん最初は白)。身体を拭くものではなく、大きなウエスですと言ったほうがいい。それを僕は平気で使っていたのだ。何年も。当の本人はまったく気にしていないが、他人から見るとものすごく気になる。僕が使っていたバスタオルは、程度や種類の違いこそあれ、親戚の家のカビだらけの水回りと同じだ。最初は汚いと思っていても、それを継続していれば、それがその人にとっての普通になる。