とにかく「効率、効率」と叫ばれる世の中である。エコという概念が憚るようになってから、その傾向はさらに強くなったように思う。燃料を削り、空気抵抗を削り、すでにあるものに関しては、それをいかに使い切るかに要点を置く。狭い室内なら、めいっぱい広く使えるように工夫する。少ない排気量のエンジンなら、そのなかでめいっぱい出力を稼ごうとする。もちろん、制約があるからこそ知恵が生まれ、クルマはより快適なものにブラッシュアップしていくのだから、効率を求める考え方はまったく否定しないし、いまの時代においてはまったく正しい。ただそういう考え方が支配的になればなるほど、このクルマの存在価値が活きてくることは確かだ。