たとえば、合理的なものを善しとする経済評論家が、イニシャルコストが高く、燃費が悪く、修理の際のパーツや工賃も高いクルマを評するとしたら「所有することに何のメリットもない」と一刀両断するだろう。そう判断できるのは、数値のみしか見ていないからだ。シートに座った感触、手に伝わるステアリングのフィーリング、加速の爽快さ……、そういった数値化できない部分に関しては完全に無視される。いや、無視されないとしても、数値との比較でたいてい負けることになるだろう。数値至上主義の生き方は、間違いがないかもしれない。でもそれはきっとつまらない。「いやぁ、ほんとに手のかかるクルマでさぁ。困ったよ」と話す人は、本当に困った顔をしていない。むしろうれしそうにすら見えるのは、数値で表せない価値を知っているからだ。
(さらに…)
Archive for the ‘vive le minorité’ Category
RENAULT 21 Turbo
日曜日, 7月 31st, 2011FIAT Panda 1.1 Active
金曜日, 6月 24th, 2011ミニ、ビートル、チンクエチェント。ヨーロッパのコンパクトカー3車種に共通しているのは、初期型(旧型)を現代的にリメイクした新型を発売し、成功していること。では、パンダはどうか。先代が販売を終了したのは1999年。2代目の発表は2003年。その間、ブランクは4年ほどなので、上記の3車種ほど「復活!」なんて謳うほど鳴物入りな雰囲気はない。どちらかというと2代目はひっそりと発表された、という印象のほうが強い。しかし、世のパンダ乗りはこの2代目をすんなり認めただろうか。いや、新型のミニやビートル、チンクエチェントも旧型乗りにとってはいろいろ言いたいことはあっただろう。ただこのパンダは「旧型のデザインをリスペクトしてるから、まぁ、許すよ」というレベルではない。ぜんぜん違うじゃないか。「あんなの、パンダじゃない」と、そうかみつくわけである。
RENAULT WIND EXCEPTION 1.6 16V
月曜日, 5月 23rd, 2011RENAULT Lutecia 16V
水曜日, 4月 27th, 2011Renault 4 GTL
金曜日, 4月 1st, 2011Peugeot 106 1.6 Rallye
月曜日, 2月 28th, 2011FIAT Panda CLX Selecta
土曜日, 1月 29th, 2011Lutecia & Clio RENAULT Sport 2.0 16V
水曜日, 12月 22nd, 2010ともに2世代目となるルーテシアRSとクリオRSに試乗した後、舌打ちしたくなるような悔しさにかられた。「ちぇっ、RSオーナーは僕の知らないとこでこんな楽しいクルマと遊んでたのか」。コンパクトな2リッターは充分に速く、街中でも山道でも高速でも楽しい。しかもちゃんと4人乗れて荷物もそれなりに積めてエアコンも効くから快適。こんな“いいクルマ”がいまや100万円以内で手に入るとあれば、乗らない手はない。というか、欧州のコンパクトカー好き、ルノー好きなら一度は乗っておくべきだ。乗れば乗るほどその懐の深さを実感できるクルマ。今回、そんなRSのなかでも変わった色の2台をお届け。クリスマスを意識したわけではないのだけど、せっかくならとこの時期に……。