人間、誰しも二面性を持っているという(二面どころじゃない、多面性だ、という意見も否定しない)。表と裏、光と陰、純粋と不純、善と悪、美と醜、賢と愚……。それはまるでどちらか片方に偏るのを防ぐために、バランスを取るかのごとくである。どちらが本当の自分なのか? よくそんな話題が上るが当然、どちらも自分であり、どちらかだけが自分であるはずはない。二面性は魅力である。単純さから抜け出す術でもある。A面とB面、その両方があるからこそ、人間性に深みと神秘性を与え、より複雑で味わい深い存在になるのである。では、道具のひとつであるクルマはどうだろうか。
Archive for the ‘vive le minorité’ Category
Alfa Romeo 145 Quadrifoglio
金曜日, 2月 1st, 2013【EVENT REPORT】MiraFiori(ミラフィオーリ)2012
木曜日, 12月 27th, 2012【Tale】RENAULT 4 Fourgonnette
土曜日, 12月 1st, 2012【EVENT REPORT】フレンチブルーミーティングの(偏った)楽しみ方2012
火曜日, 10月 30th, 201210月27日(土)、28日(日)の両日「第26回フレンチブルーミーティング(以下、FBM)」が長野県・車山高原にて開催された。天候は昨年とは逆で土曜日が好天、日曜日が雨天。日曜日は前回より2週ほど遅い開催もあいまって非常に寒い1日となった。
今回はシトロエンBXの生誕30周年、ルノー5生誕50周年、アルピーヌA110生誕50周年という記念すべき回となった。ただはやりこの悪天候でお客さんの数は少なかったように感じる。とくに日曜日は、いっこうに回復しない天気と気温の低さのせいで、早じまいして会場を後にする方々も。天気ばかりはどうにもならないが、土日のどちらかに雨が降るのはもはやFBMの風物詩、ジンクスとなりつつある……。
さて、FBMに参加した車両を見てあーだこーだ言う企画はヴィブルミノリテ的に3回目となる。前回「何か別の企画を考えないとね」という大幅刷新をにおわせるような雰囲気で終わったものの、今回も変わらずまったく同じ。まぁ、このくらいしかできないわな。というわけで独断と偏見に満ちた、いや独断と偏見しかない「フレンチブルーミーティングの(偏った)楽しみ方2012」、スタート。
FIAT Cinquecento Sporting
木曜日, 10月 4th, 2012RENAULT Scenic RXE
金曜日, 8月 31st, 2012モノ(人)を好きになる方法は、主に2つある。ひとつは“見てくれ”から好きになる方法。説明はいらない。そのモノの容姿を見て、自分の好みに合うから好きになる。至極まっとうだ。しかし、見てくれがいいからといって、そのモノの機能(素質)もいいとは限らない。おまけに見てくれは、他人(世間)からの評価も多大に影響してくる。運よく良かった場合はいいが、機能が自分の求めるものと違った場合は、きっと2、3日の付き合いで終わるだろう。ふたつめは、機能を好きになり、見た目もだんだん好きになっていく方法。あるモノを使っていて、その機能の良さに惚れこんだとする。するとなんとも思っていなかった容姿も、かっこよく、かわいく思えてくる。クルマで言えば、エンジン、足回り、ミッションなど見てくれ以外すべてのものと言ってもいい。そしてこれらは乗った人の主観で判断されるものである。世間の評価とかトレンドとかに左右されず、本当に「自分」が好きになったモノは早々裏切りらない。その機能に満足している限り、見た目もかっこよく映りつづける。その人にとっては。
(さらに…)
RENAULT Sport Spider
水曜日, 8月 1st, 2012TALBOT Samba Cabriolet
土曜日, 6月 30th, 2012「クルマの価値ってなんだろう」と、ときどき考える。でも、いつも明確な答えは出ない。それは「価値」という言葉自体が明確な何かを示しているわけではないからだ。ある人はその価値を「価格」だと言い、ある人は「ステイタス性」だと言う。またある人は「希少性」だと言い、ある人はそのクルマが持つ「歴史」だと言う。価値観という言葉があるように、価値にはさまざまな見方があり、捉え方がある。まさに十人十色。何も高価でかっこいいクルマだけに価値があるわけではない。小さくて、非力で、一見何も取り得がないようなクルマにだって、価値を見出して大切に乗っている人もいる。クルマに対する価値観はいっぱいあっていいし、たくさんある国ほどクルマ文化が豊かなのだ、きっと。
【Tale】RENAULT 5 GTL Francaise
金曜日, 6月 1st, 2012 夜、妻から電話があった。
「ねぇ、明日って休みじゃないよね?」
「なんで?」
「いや、洋介の中学の三者面談なのよ。わたし行くつもりだったんだけど、どうしても外せない仕事が入っちゃって。もし、時間があったら行ってほしいな、と思って」
「ああ、明日は代休取ったから空いてるよ」
「ほんと? じゃ、お願いできる? あとで詳細メールするね」
妻は要件だけを手短に話すと、電話を切った。
妻ではなかった。正確には元妻の加奈子だ。3年前に別れてから、加奈子はよほどのことでない限り、電話やメールをしてこない。1年位前に急性肺炎で入院したことがあったが、そのときも連絡はなかった。事後報告で聞いて驚いたが、加奈子は「大丈夫よ」と平然を装った。今回は息子の洋介のことだからだろう。たとえ別れたとしても、息子にはお互い責任がある。
(この物語は半分フィクションです)