最近、現代のクルマに乗る機会が幾度かあった。古いクルマを自家用車としている僕は、乗るたびにクルマの進化を感じていたのだが、特に強く感じるのは、外界との隔離感だった。静粛性を向上させるためにボディの隙間を埋めたり、遮音材、防音材などを適材適所に配したりしているのだろうが、静粛性を上げていくほど、僕はその静けさに不安を覚える。窓を開けなければ、踏切の音や緊急車両のサイレンも聞こえない。ロードノイズの質、音量によって速度感も分からない。よって、クルマを運転している感覚が希薄になる。クルマの車内は静かであるほど、いいのだろうか。