Morita(以下、M):去年も同じような流れでしたが、FTPからのミラフィオーリです。去年はたしか新型カングーを紹介しましたね。
Suzuki(以下、S):そうだったね。
M:FTPに続き、ミラフィオーリも晴天です。そういえば、さっきMCの方が話してましたけど、ミラフィオーリが始まってから今年で13年ですって。
S:そんなに経つ? 1回目は台風だったよね(笑)。
M:ええ、ええ。なかなかの荒天でした。いまとなってはいい思い出です。
S:じゃあ、行きますか。
M:アバルトのグランデプントです。エッセエッセなので、180psまでパワーアップされたモデルですね。
S:アバルトのグランデプントならいいなぁ。そもそもフィアットは何でベーシックなプントを止めたのか。いまだに解せんね。
M:そうですよね。ベーシックなコンパクトカーってカーメーカーの屋台骨を担っているわけなので、そう簡単に止めたりはしないんですけどね。
S:僕は“走るアース不良”と呼んでる(笑)。
M:どういう意味ですか?
S:そのまんまの意味なんだけど、まぁ、とにかく電気系が弱い。骨格は鉄だけど、FRPボディなのでうまくアースが落ちないことが多いんだよ。だからどこにアースが落ちてるのか、探るだけでもひと苦労。
M:なるほど……。
S:余談だけどさ、500が大多数の中で言うのも何だけど、この前発表されたトッポリーノ、あれ、いいね。
M:ああ、マイクロEVと言うべきか、あのちっさいやつですよね。
S:そうそう。シトロエンのアミが出たときはピンとこなかったけど。
M:たしかあれ、ドアなかったですよね?
S:うん。でもミニカーでも、超小型モビリティであっても、ドアはなくても登録できるんだよ。
M:え、そうなんですか?
S:そうそう。ただドア以外に課題があって、あのトッポリーノはミニカー登録するにはパワーがありすぎるし、超小型モビリティ登録には地方自治体の了承が必要。
M:なんかややこしいですね。
S:欧州にはクワドリシクルってカテゴリーがあって、トッポリーノはそこに該当するんだけど、乗用車の保安基準を要求されてないんだよね。だから日本では乗用車登録もできない。
M:そっか。該当するカテゴリーがないので登録できないんですね。
S:これ、タコメーター傾けてあるけど、私的には針がいちばん上を指すときがいちばんおいしいところになるようにしてるんだよね。
M:まぁ、針が上に来たら、何となく視界にも入りますからね。
S:この場合は6000? 6500? 回る?
S:もうちょっと人気出ると思ったんだけど、そうでもなかったね。
M:そうですね。ひっそりと販売終了してました。
S:ちょっと前にアバルトじゃない124スパイダーを並行で取ろうかと。
M:ああ、言ってましたね。じゃないほうのヤツ(笑)。
S:そうそう。
S:おお。
M:このクルマも、FTPのときのDSじゃないですけど、神々しいですよね。初代のボートテール、美しい……。
S:そうだね。なかなか維持しているのは大変だろうけど。
M:60年代のクルマですもんね。
M:さらに新しいスパイダーです。この色の組み合わせ、あまり見たことないなぁ。
S:これ、韓国並行かなぁ。
M:韓国ですか?
S:そう。韓国からの並行車ってホワイトとタンの組み合わせが多いんだよ。
M:へーへー!
M:155です。DTMでの活躍もあって人気ありましたよね。日本にもJTCCにスポット参戦してました。これ、80年代終わりでしたっけ?
S:いや、90年に入ってからだよ。
M:そうでしたか。それにしても、どっちの赤が純正色ですか?(笑)
S:うーん、正確には分からないけど、当時、155の時代に塗料メーカーが3社くらいあったみたいで。たしかPPG、デュポン、ハーバートだったかな。それらが混在してて、さらに年式によっても微妙に赤色が違うんだよ。
M:なんと! そうだったんですか。じゃあ、どっちも純正色の可能性があるということですね。
S:そうそう。そういえば、うちのデポの近くに155が停まってて。動いてる形跡はないんだけど、突然、軽自動車に替わってる。
M:代車ですかね?
S:うん、そうかもしれないね。最近はゴルフと入れ替わってる。
M:買い換えたのか、また入院して代車がグレードアップしたのか……。
S:へー、アップ!にGTIなんてあったんだ?
M:限定車ですけどね。
S:いいね。ホットハッチじゃん。
M:そうですね。いちおうルポの後継車的な位置づけになるんですかね。ルポにもGTIありましたし。
M:205CTIです。205も見なくなりましたね。206もだけど。
S:ボディもきれいだね。大事に乗ってる。この色、ソレントグリーンっていうんだよね。
M:ソレントと言えば『帰れソレントへ』ですね。
M:デルタです。いつも見る個体ですかね。それにしてもホイールベース長いなぁ。
S:リアのドアも長っ!
M:ですよね。普通はリアのドア、もっと短い。
S:ボディ形状はハッチバックなんだろうけど、思想的にはサルーンなんだよね、きっと。
M:それは言い得て妙! 一度は乗ってみたいですよね。
S:テールランプがAE86のものを使ってるのは有名な話。
M:スイッチも見たことのあるやつですね!
S:まぁ、それがロータスだから(笑)。
M:おお! リブラ! いいなぁ。やっぱ僕はエンリコ・フミアのデザインに惹かれるようです。
S:いいよね。この何とも言えないグリーンにグレーがかったネイビーの内装の組み合わせもいい。ルーフの両サイドにシルバーのアクセントが入っていて、それがリアウィンドウ両端まで伸びて、最後はテールランプユニットに融合していく感じもたまらん。
M:イプシロン、リブラ、テージス……このあたりのクルマのデザインは、現代ランチアの個性をいかんなく発揮していてかなり好きです。
M:デュカトです。去年、日本への正規輸入が決まりましたよね。
S:そうだね。でも、じつはその前からデュカトのパーツはフィアットオートジャパンが供給してたんだよ。
M:え、正規じゃないのに?
S:そうそう。現地法人だし、直系だからね。なので並行でデュカト乗ってる人もパーツ供給があったんで、維持できていた。
S:いまはステランティスになったプジョーもシトロエンも同様。違うのはルノージャポンだね。別資本なので、取り扱い車種以外は無視されるのが現状。
M:なるほど……。
S:いま日本はアウトドアブームだけど、ちょっと遅い気がするね。キャンパーのニーズは昔からあったわけで、並行で入ってきたデュカトキャンパーもそれなりに数があったからさ。
M:たしかに。
S:それにしても、これ、ハッチバックだったらいいのね。いや、ハッチバックがあるかどうかわかんないけど。
M:そうですね。屋根になる。まぁ、でも、あえてキャンパーのベース車にデュカトを選んで、差別化を図りたい層は一定数いますよね。
S:そうだろうね。
M:そうそう、驚いたのは、これ、9速ATなんですって!
S:ディーゼルターボで9速AT……。狭くおいしいところをいかにうまく使うか。
M:どんだけクロスミッションなんでしょうか(笑)。
S:人間では忙しくてかなわんね(笑)。
M:こっちは最近、発表されたドブロです。個人的にはあんまり気合いの入ってないデザインだなぁ、と思うのですが。
S:これ、バンパー部分には穴空いてるけど、グリルにはないよね。
M:そうですね。
S:何となくEV化を見据えてるのかなと。バンパー部分だけ換えればEV仕様になるのかも。
M:なるほどー
S:リフター、ベルランゴよりも安い設定で来るだろうから、カングー3の競合はドブロになるかもね。400万円切るくらいなら、ベッドキットとか買って後付けすれば、リーズナブルにキャンパーにできるよね。
M:そうですね。デュカトと比べるならこっちかなぁ。でも、フィアット縛りでなかったら、カングーでもドッケールでもやれる(笑)。
S:実際、うちのドッケールのオーナーさん、DIYでベッドつくってるしね。
M:既製品を買うのもいいけど、ドッケールは何となくDIYが似合いますね。
S:余談だけど(車体番号を見て)、これ、フィアットだけど、車体番号は「VF3」から始まってるね。
M:?
S:「VF」はフランス車なんだよ。たぶん「Voiture Francaise(フランス車)」の略だと思う。「3」はプジョー。ちなみに「1」はルノーで「2」はシトロエン。さらに言うと「VFM」はマトラ「VFA」はアルピーヌだよ。イタリア車は「Z」から始まる。フィアットは「ZFA」、ランチアは「ZLA」、アルファロメオは「ZAR」、マセラティは「ZMA」だったかなぁ。
M:へーへー!
S:でも、ドブロが「VF」から始まってるのを見ると、これでフィアットも正真正銘のフランス車になったということで、何とも複雑な気持ち(笑)。
TEXT&PHOTO/Morita Eiichi